御年90歳の祖母。
今でこそ、ひ孫のお相手に日々忙しく過ごしているが、私が小さい頃はちぎり絵にパッチワーク、編み物など器用な手先を活かした趣味にいそしんでいた。
今、私がこうして働くことができるのも、そんなおばあちゃんが居るからこそ、なんである。
引越祝いに・・といただいたパッチワークのラグ。
ちくちくの縫い目。
気が遠くなるほどの針の数。
私が子のために作ったおもちゃやよだれかけを見た祖母は、
「あんたはえらいねぇ」と言うけれど、毎度このラグを見ると頭が下がる思いでうっとりしてしまう。
「いや、おばあちゃん!おばあちゃんよ!すごいのは。」
「もう針が見えないんよ」と言って、どうぞ持って行ってちょうだいの宝の山。
たんすに眠った布たちは、しかと孫が受け取りました。
ちょっとずつだけど、私もおもちゃや服に変えてのこしていきたい・・と、思っている。
ゆっくりと、ていねいに。ついではいで出来たパッチワーク。
ものだけを継ぐのではなくって、そうした過ごし方も継いでいきたい。
まずは・・と作った布ボール。
おばあちゃんの縫った作品のように、何年何十年と残る頑丈な作りではないらしい。
ぼろけた私の作品・・?は、まだまだおばあちゃんの足元にも及びません。
(ナカムラ)
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