夏の終わり頃、1通の手紙が届きました。
差出人は、私の学生時代の書道の先生で、
大人になってからは年の離れた友人のように
長年仲良くしてくださっている方。
私の引越しで家が離れてから、ときおり手紙を送りあっていました。
ひさしぶりのお便りには、先生の近況とともに
こちらを気遣ってくださる言葉があり、
私もすぐに返事を書きました。
そこから、文通が再開。
すっかり筆不精になってしまった私と、
相変わらず筆まめでお返事の早い先生と。
それぞれのペースで、時にはメールも交えながら、
やりとりは続いています。
手紙を送るときにあるのは、ただ、相手と、自分の時間。
根がのんびり屋の私には、それが心からホッとできるのです。
どんな言葉を、綴ろうか。
いただいた手紙を読み返しながら相手に思いを馳せていると
自然と気持ちが和らぎます。
今晩、また、手紙を書こうと思います。
おいしい珈琲を淹れて。
書き出しは、そうだな・・・
"拝啓、月がきれいですね"
(タニグチ)